2005年7月

10日 公務員

仕事が詰まってきて、今の職場で初めて日曜出勤をする羽目になってしまいました。

それはそれで仕方がないのですが、その日曜の朝、平日は毎日通っている道で油断していたためか、ねずみとりにあっさりと捕まってしまったのです。光電管でした。

さほど加速がいいわけでもない僕のヘロヘロバイクが捕まったのもシャクでしたが、まぁスピード違反してなかったかといえばそんなことはないので、御用になったこと自体はしょうがないのかもしれません。ただ、取り締まっている警官の態度に関しては「なんでこんな高圧的なものの言い方しかできないのかなぁ」というもので、話しているうちに最初は凹んでいた頭に徐々に血が上ってきたのでした。

で、「この青切符には今すぐサインしないといけないのか」と聞いてみたところ、「あのねー、今ここでサインしないと裁判所に行くことになるのよ。後でサインするにしても、池袋まで自分で行ってもらわないといけなくなるよ」というようなことを言い出すのです。あからさまに「なんだかんだ言って一日仕事を休んでそういうところに出向くことになるなら、ここでサインをして1万5千円払ったほうが結果的に得でしょ」というような口調なのです。まぁ損得で言うと確かにそうかもしれません。でも、違反者にそういう損得で違反を認めるかどうかの判断させるような言い方をするのは正義をナニする身分としていかがなものかと思ったのですよ。

ここでちょっと冷静になって、ポケットに「録音ができるMP3プレイヤー」が入っていることを思い出し、それをおもむろに取り出して「ちょっと僕頭が悪くて後で何も覚えてなかったりするんで、録音させてもらってもいいですか」と録音を始めたのです。

するとどうでしょう、今まで足を組んでパイプ椅子にのけぞっていた白バイ警官が、急に口調を改め「いや、無理にここでサインをしていただかなくても、納得いただいた時点でお時間がある時にそこの署まで僕がいるときに来ていただければいいですから」と語りはじめました。見ると姿勢も「背は背もたれに付けず両手は軽く握ってひざの上!」という状態に変わっており、何も姿勢まで録音しているわけではないのにと思ったりもしたのですが、『さっき言ってたこととだいぶ違うなぁ』と思いつつも、青切符をポケットに入れ、その場を後にしたのでした。

そのまま夕方まで頭を冷やして、結局まぁ「払ってしまったほうが得」という負け組みな結論に至って例の警察署に赴いたのですが、既に担当警官は帰った後で、窓口の人は「サインなんてなくてもいいんですよ。反則金の振込みがあればそれでわかりますから」などと言うので『そんなものかぁ』と思いつつ家に帰りました。

翌日、仕事をしていると携帯の電話が鳴り「昨日は不在で失礼しました。今夜は切符を窓口に預けておきますので」とのこと。昨日窓口の人が言ったことはデタラメだったらしいのです。結局またその夕方警察署に赴くことになりました。とはいえ、口調が丁寧ならこちらも腹を立てる理由はないので、おとなしく交通安全協会にお布施をしてきたのでした。

というわけで教訓。「公務員にはレコーダー」です。万一のために必ず常に録音機器を携帯するようにしておきましょう。極端な話電池など入っていなくてもOKです。それを机の上に置くだけでその場もその後も対応が全然変わりますから。まぁでもそれで違反がなくなるわけじゃないですけどね。

18日  先頭車

先日ねずみとりに止められてから、バイクで走っている間ずっと「なんで先頭車だけ捕まえるのかなぁ」というようなことばっかり考えています。考え事をしながら走るのは危ないのですが。

実際、ねずみとりの現場を見ていると「信号が青になるたびに、その先頭を1台ずつつかまえる」というような状況になっているようです。もちろん先頭車がスピード違反してなければ捕まえないのですが、なんと言うか「先頭車がスピードをつい出してしまうような所」に網を張っているわけですから、特別な理由が無い限り信号ごとに不幸な先頭車が捕まることになってしまうのです。

まぁスピード違反自体してないわけではないので、つかまることはしょうがないのかも知れません。

が、「先頭車だけ捕まえる」という検挙の方針には、何か問題があるような気がしてなりません。

先頭車、つまり信号の時に先頭になってしまう理由はいくつかあります。

  1. たまたまそうなってしまった
  2. スピードが遅いため、前の車に置いていかれた
  3. 黄色信号で早めにブレーキをかけたため、前の車に置いていかれた
  4. 信号停止時にすりぬけをして先頭まで出てきた
こんなところでしょうか。

最後のはまぁすり抜け自体「厳密には違反」でしょうからまぁしょうがないにせよ、二つ目と三つ目の理由は単に「安全運転だから」先頭車になってしまったと考えられます。

実際、都内を普通に走っていると、僕はすりぬけもしないのに自然と先頭車になってしまいます。朝は20分以上余裕を見て家を出るので、危険なすり抜けをして接触事故を起こすことは割りにあわないからすり抜けをしないのです。それでも僕のバイクは自然に先頭車になるのです。なぜなら「流れより遅く走っているから、前の車には置いていかえれ、後ろの車には追いつかれる」からに他なりません。

逆に、本当に流れを無視してスピード違反をするような車は、信号で先頭車になるようなことはありません。すぐに前の車列に追いついてしまいますし、黄色信号も無理して突っ込みますから、多くの場合最後尾にいるのです。

でも、信号が青になって加速している最中だけは、一時的に先頭車のスピードが一番速くなるのです。その後ろの車は車間を開けなければならないぶん、少しだけアクセルを控えざるを得ないからです。

ここで注目すべきなのは、青信号で加速中の前のバイクは、一時的に「車列の中で一番速い」車になるものの、最終的には車列の車はどれも同じスピードに落ち着くということです。つまりは全ての車がスピード違反をしている状態になるのです(この事実を認めない人もいるようですが)。後ろの車は別に安全運転の人だからゆっくり加速したわけではなく、単に前に車がいたから加速できなかっただけのことなのです。

こう考えると、少なくとも「一団の車列の中の、先頭車だけを青信号の直後で取り締まる」という取締りの方法がかなり無意味であることが分かります。もちろん違反の事実が先頭車に無いわけではないのですが、本当に危険なドライバーはその後ろで「アブねーなぁ。オレってツいてるぅ!」と胸を撫で下ろしているのです。たぶん。